知的冒険 ハッケン!!

午前中にやってる小倉の社会派?番組。
この中に、エジプト人女性のフィフィが社会問題となっている現場に行ってリポートするというコーナーがある。今回は、青森県のある市で今月から救急指定病院がなくなったため、市民は隣の弘前市まで搬送されなければならなくなったということを伝えていたのだけど、私はこの番組の伝え方に怒りを感じたね。
今、東北はどこでも医師不足が問題となっていて、どの県だって市町村だって、必要な医療体制の確保に腐心していない自治体なんてない、と私は思っている。
それを前提とした上での話だが、アポもとらずにいきなり役所に行って、この問題について話を聞きたいから市長に会わせろというのは報道機関の行動としても普通に考えれば非常識な話で、対応した職員が、市長には今は会えないから病院に行って(院長だかの)責任者に話を聞かれるのがいいのではないかというようなことを言ったのは、至極当然の対応だと思う。実質その部門をまかされている責任者なのだから、実のある話を聞けるだろう。
しかしこの番組ではそうはせず、直接話を聞きたいからと、役所の入り口から出て車に乗ろうとする市長に無理矢理マイクを出して話を聞こうとしていた。このとき逃げるようなそぶりを見せた市長の対応も多少まずかったとは思うが、そもそもアポもとらず直撃取材をきどるTV局のやり方に非があるだろう。きちんと答えてもらおうと思うなら、あれだけの瞬間で足りる問題ではないのだから、ああいう「絵」を撮りたいからわざとやってみたようにしか思えない。
これで、問題を追求するレポーターと逃げるようにして立ち去る市長という「おいしい絵」が撮れたわけだ。しかも結局、問題の対応について責任者に対するきちんとした取材は行っていない。*1あれでは、真剣に今後について考えているであろう担当者がかわいそうだ。取材するならきちんとしてほしい。
フィフィも、番組の方針のとおりに動いているだけならいっぱしのジャーナリスト気取りはやめるべきだね。外部からの視点を入れる、しかもエジプト人なら他との差別化ができるだろう、みたいな名目で採用されているんだろうが、他の問題でも大した意見を言えてないし。

*1:フジテレビは関西テレビの問題をまるで関係ないように言っているが、やっていることは体質的に変わらないんじゃないか。