ロボットカー

Nスペのテクノクライシス2回目(ロボットで無人化される戦争の回)の再放送の日に、まるみえでロボットカー・レースを特集した番組が紹介されるというのはすごい偶然だ。しかし、同じレースでも取り上げるテレビ局(まるみえの場合、番組を作ったのは米国のテレビ局だが)によってこうも雰囲気が変わろうとは。
NHKでは今回の取り上げ方(1時間番組のうちの一話題−民生品が軍需にも利用可能という話−の一部)の他、前回第一回大会のときにも番組をまるまる使ってこのレースを特集していたのだが、どちらも基本的には技術力の高さを紹介しつつ、その姿勢は軍事転用への警鐘というスタンス。
それに対してまるみえの方は、純粋にレースのおもしろさや技術力のすごさをクローズアップした内容だった。第一回のときに出場していたロボットバイクの兄ちゃんが今回も参加して、改良はしたもののやはりリタイアしたこと、本選でカーネギーメロン大をスタンフォード大が追い抜いた過程など、Nスペではわからなかったレースの詳細を見られたのはよかった。アイデアと技術による勝負というのは、やはり見ていておもしろい。
ただ、アメリカ人ならただ無邪気に楽しんでもいいだろうけど、それ以外の国の人間なら、このレースのスポンサーが米国防総省で、国防総省の研究機関が無人兵器の初期開発を肩代わりさせるために開催しているということは知っておいてもいいと思う。
NHKの見せ方もずいぶんと一方的ではあるけれど。ただ、そういう背景は頭に入れておいて、あとは自分で情報を処理するなり判断すればいいのだ。
http://www.darpa.mil/grandchallenge/index.asp


Nスペのテクノクライシスの話を見たのは今回で二度目だが、怖かったねえ。
NHKは演出に色をつけすぎるから批判されるわけだが、あそこで示された事実は、現実としてやはり怖い。
それにしても、まさか本放送後にイスラエルヒズボラレバノン)の戦いが激化し、かの無人ヘリがその一翼を担おうとはNHKも思っていなかっただろう。