NHKスペシャル

今のNHKの科学番組のプロダクションは腐ってる。
相も変わらぬ叙情的に過ぎる演出には辟易する。しかも毎回のように流されるのは、ほ乳類−人類のライン中心史観とでもいうべきものだが、これは進化研究全体からしたら大分捻れた見方なのではないだろうか。純粋に対象を観察することから始めることを科学と呼ぶならば、初めに結果(人類の社会)ありきの論考の進め方は、科学を育む心の妨げにすらなりかねない。
変な社会的視点が、対象をねじ曲げて捉えさせている。個人的な意見としては、科学者たちが集団で抗議したっていいくらいだ。
もっと純粋に、恐竜時代のおもしろさを、科学的にダイナミックに伝えてほしいのに。今のNHKは自分たちの色をつけるのに必死で、そんな普通の演出方法すら忘れてしまっているように見える。
今からでも遅くない。BBCからスタッフを呼んで顧問にし、プロダクションを一から見直すべきだ。教養番組の必要性云々を議論する前に、番組を所与のものとして捉えるのではなく、まずその質から問い直すべきだろう。