THE 有頂天ホテル

映画「THE 有頂天ホテル」を観てきた。
大分遅くなってしまったが、今年初の映画鑑賞だ。初映画(そのまんまじゃん)。
別に今日これが観たかったわけではなくて、時間的にこれが一番丁度よかったから、ま、評判いいみたいだし今見ておいてもよいかな、なんていう軽い気持ちで決めたんだが、結果的に今年一作目の映画がこれでよかった。
語彙不足で恥ずかしいが、めっちゃめちゃおもしろかったのだ。
最初こそ、(ミタニンがコラムでも書いていた)長回しの連続に少々とまどったが、しだいに入り組んでいく物語にすっかり乗せられてしまった。特に、役所広司演じる副支配人が、元奥さんに今の職を知られたくないばかりにとっさの嘘をついてしまう辺りから、話が加速度的におもしろさを増していっていた。(役所広司のエピソードで言えば、)どんどんどつぼにはまっていくのに本人だけはそれに気がついていないという、この気まずさ。使われるネタのおもしろさ。これぞ三谷的シチュエーション・コメディの真骨頂。
それからは爆笑に次ぐ爆笑。もう、この展開だとこの先はこうなるんじゃないの、という予測だけでも笑えてしまう。うまい脚本・構成だ。
私は「ラヂオの時間」には大爆笑したが「みんなのいえ」はいまいちという口なので、実はこの映画にもそんなに期待していたわけではなかったんだが、これはちゃんと、ぶれることなく三谷ワールドになっている。それだけでも見る価値はあると思う。
実は席の両側ともカップルだったので観る前はちょっとブルー入っていたんだけど(笑)、観ている最中は隣の席も含めて映画館中みなが大笑いだったので、そんなことすっかり忘れてしまっていた。映画を観てこんなに笑ったのは久しぶりかもしれない。
というよりも、無邪気にこんなに笑ったこと自体久しぶりだったかも。最近、何をしても落ち込んでばかりだったから、自分がこんなに笑えるという、それだけで嬉しくなってしまった。
いいコメディは観る人を幸せな気持ちにするものだね。


キャストは、今までの三谷作品総ざらえといった感じ。
エンドロールで知ったのだが、主要キャストでは全くないベルボーイの役に尾関という名前が付いていて、それを演じていたのが、新選組!で尾関雅次郎役だった熊面鯉*1だったのにはちょっとうれしくなってしまった。新選組!を観ていた人へのサービスだろうか。
YOUが最後に歌うシーンで、YOUって結構歌うまいんだな。と思ってからはたと気がついた。YOUはもともと歌手じゃないか。(笑)


三谷の映画だから、たぶん数年後には確実にフジTVで放送されるはず。けど、こういうコメディはリズムが大切なんだから、CMで切れるテレビじゃなくてぜひ切れ目なく観られる媒体で観るべき。それにできれば大きなスクリーンで!(それでこそ長回しが活きるってもんです)
もうすでにかなりの観客動員数となっているそうだから今更かもしれないが、オススメです。

*1:先日の組!!スペシャルにも、数少ない池田屋からの生き残り組として登場していた