ロング・エンゲージメント

A VERY LONG ENGAGEMENT

ロング・エンゲージメント」を観てきた。
第一次大戦中、戦場で置き去りにされた5人の囚人たち。彼らは戦死したとされたが、そのうちの一人マネクの恋人マチルドは、恋人の生存を信じて、5人の囚人に起こった出来事の真相を調べ始める・・・という話。
決して諦めずに自分の思いを信じて、過去の戦争という大きな事実と立ち向かっていくマチルド。動じず、強い意志をもって現実を切り開いていく姿がすごく清々しくて美しい。彼女が小児マヒで足が不自由という設定が、大きな存在に立ち向かう弱者という構図をさらに印象強くしているということもあるかもしれない。
過去と現在を行き来する構成、カードがひっくり返るように証言によって二転三転していく真実、5人の囚人と次々に出てくるその周辺の人物たち・・・と、複雑な要素が多い物語だが、見終わって一番印象に残ったのは、そういうマチルドの姿だった。だから、これは一風変わった恋愛映画なんだと思う。
凄惨な戦争を描きながらも、映像がとても美しい。映像だけでなく、マチルドの性格や複雑な構成など、この映画の要素全てが監督の美意識によって支えられている感じがする。
ミステリとして考えると二三弱い点もあったような気がするのだけど、それでもとてもおもしろかった。
マネク役のギャスパー・ウリエルは今回初めて見たのだけど、彼、いいね。彼の無邪気さと儚さを感じさせる演技も、オドレイ・トトゥの強さとともに映画に美しい印象を与えていた。顔も綺麗だし。


これを書くときに原題やスタッフを確認しようと思ってチラシを見たら、チラシにそういうことが全く載ってないの。普通書いてあるだろう。何のためのチラシだよ。>ワーナー