セルラー

セルラー」を観てきた。今ごろだけど、それでも公開しないよりはましだわね。
まあよくできた映画だと思う。そんなに期待しないで観ると思わぬおもしろさ、って感じかな。
ただ、フォーン・ブースでは最後まで謎が残ったのに対して、今作では中盤であの家族が追われる理由が明らかになってしまうのがちょっと残念ではあった。その理由というのがこの手のストーリーではかなり月並みなものだったのでなおさら。
見知らぬ者どうしが電話のみで繋がっているというシチュエーションには、音声から得る情報がどんなに真に迫っていても、相手が本当に信用できるかどうかはわからない、という要素が含まれていて、そこにも面白さがあると思うんだよね。あの狙われている家族には実はすごい秘密があるのかも、なんていうスリリングさも内包しているわけだ。それが理由が明らかになったことで、そこから先は話のミステリアスな感じが低減してより並な内容になってしまったような気がする。それでもアクションは充分おもしろかったけど。
この映画では携帯電話が物語の主要アイテムなわけだが、他にもかなり意識的に現代アメリカを象徴させるようなポップなアイテムが取り入れられているのが楽しい。それに助けられたり邪魔されたり。それがいかにもアメリカだなあという感じがして笑える。
でもやはり一番うまいのは携帯電話の使い方。冒頭の何気ない会話の内容がラストで生きてくるところなんて思わずニヤリ。これ、使われている携帯はNOKIAなんだが、いいコマーシャルになったんじゃないだろうか。もしラストで犯人の顔にかぶせて「NOKIA saves you.」なんてテロップが出てきても全く驚かないね。