ベジャール、バレエ、リュミエール

bcomme bejart

ベジャール、バレエ、リュミエール」を観てきた。
振付家モーリス・ベジャールが光をテーマにした新作「リュミエール」を作りだしていく様を追ったドキュメンタリー。映画は、彼がダンサー達と舞台を作っていく様子と、そこに完成した本番での振付が挿入されるという構成となっている。
えー、実は例によって途中で何度も意識が遠のきかけたのであまり偉そうなことは書けないんだけど(恥)、以下、感想。
彼はインタビューで、振付を考えている間は迷路にいるみたいだと言っていた。が、それは映画を観ている観客にとっても当てはまる。練習と本番の映像が繰り返される中、始めはなかなかこの舞台でつくられているものが何なのか見えてこない。しかし、フィルムが進むに従って、創り出されようとしているものがどういうものか、それがどのようにして創り出されていくのかがなんとなくつかめてきた。
映画では最後まで舞台の全体像は映さないが、見終わったとき、何もないところから世界を創り出していく創作の一端が見えた気がした。
彼は映画の中で自らを彫刻家に喩えていた。確かにこの映画の彼を見ていると、そういう何も見えないところから形を探りながら削りだしていく様がイメージ的にしっくりくる。