スウィングガールズ

スウィングガールズを観てきた。
ところで、私はウォーターボーイズが好きではない。ここで笑え笑え〜と強制される感じがすごくイヤ。
このスウィングガールズも、何かに挑戦する高校生達の物語という筋は前作と同じだし、前作同様、ギャグはベタだし演出はわざとらしいし、脚本には穴がボコボコ(あの松茸は結局どうなったんだ、とか)。つっこみどころは満載。
けど、観ていて楽しめたしおもしろかったんだよね。
その理由には、一番には音楽の強さというかノリの強さというものがもちろんあるんだけど、山形っていう場所も大きかったんじゃないかと思う。あの訛りと風景があけっぴろげなゆるさを醸しだしていて、ストーリーのいい加減さにうまくはまっていた。
ちなみに、あの訛りは山形弁(というより置賜*1弁か)としてはかなり微妙で、私は寒いギャグや演出よりもこっちの微妙さの方がずっと気になった。(^^; それでも周りの観客にはすごくウケていたけど。このことに限らず、観客の反応はとてもよくて、些細なことにでも何度も笑いが起こっていた。映画を楽しめたのはそういう会場の雰囲気のおかげもあるだろう。
そして風景は、第二の主役と言っていいくらいこの映画の中で重要な位置をしめていた。矢口監督は、意識して山形の風土を魅力的に撮ろうとしていたように思える。山に囲まれた盆地の中を進む二両編成の電車とか*2、雪で一面真っ白な学校とか*3、雪の降る外から建物の中に入ってきたとき、白くなった頭に気づいてあわてて雪を払い落とす仕草とか*4。地元の人間から見ても、ああそうなんだよね〜と思える風土感に長けた映像が、作品に大らかな空気を与えていた。
これが地元で大ヒットしているのもわかる気がする。方言とか季節感とか、地元の人間にとってはより感覚的に「わかる」、ツボをついてる作品なんだもの。

*1:映画の舞台となった高畠とか米沢とかあの辺りのこと

*2:のどかだよね〜(笑)

*3:歩くと足がズボズボ沈むんだよ

*4:これだけで笑いが起こるのは地元ならでは