スパイダーマン2

スパイダーマン2を観てきた。
本当はスチームボーイを観るつもりだったんだけど、開始時間を10分間違って覚えていたために遅れてしまって。仕方がないから、ちょうど始まるところだったスパイダーマン2を観ることにしたわけ(もともといつか観るつもりだった)。


1を観たときは、ドラマ部分の描き込みが中途半端で、アメコミ映画ならこんなもんかなー、つまらなくはないけど。なんて感想をもったものだけど、それに比べたら2はおもしろかった。ドラマ部分が納得できるくらい描かれているから。
始めの方で、「大いなる力には大いなる責任が伴う」という言葉が出てくるのだが、主人公はまさにそのことについて大いに悩んでいる。自分は困っている人々を助けなければならない。けど、自分の生活と時間を犠牲にしてスパイダーマンとして活動することで、バイトにも大学の授業にもガールフレンドの出演する舞台にも遅刻するから、バイトはクビになって困窮するし、成績は落ちるし、ガールフレンドは別の男と結婚予定だしで、踏んだり蹴ったり。もうスパイダーマンなんてやってらんねー、と、あの自家製コスチュームを捨てるところまでが映画の前半。主人公、とっても情けない。
主人公ピーターは特別な力をもってしまったゆえに悩むわけだけど、それは彼が未熟だからでもある。自分の立場についての覚悟が足りないのだから。ガールフレンドへの言い訳なんて聞き苦しいことこの上ない。
しかし、その彼が再びスパイダーマンとして生きていこうとする。もちろん今までのような個人的に困る事態がまた起こるだろう。けれどそれも含めて、自分にかかる責任を背負って立とうとする。始めに情けない部分を見せているから、この決断がとても重く感じられた。
これは、未熟な青年が責任を伴った大人となることを決意する、あるいは、特別な才能を持った者が自分の生きる意義を見つける、成長の物語なのだ。
(つまりこれはある部分ではタイツコスプレ男版「魔女宅」なんだと思う)
そしてヒーローの復活物語としてちょっと熱いものがこみ上げてくる話でもあった。
本当は、ラストに遅刻しなくなる、もしくはフォローができるようになったピーターの姿があるとよかったのだけど、それがなかったのは残念。スパイダーマンである限り遅刻は仕方がないということなのかもしれないが。


ビジュアル面でも、1に比べて、今回は大通りやビルの谷間、電車の上まで、NYの街中をさらに思い切りよく縦横無尽に飛び回って気持ちのいいアクションを見せてくれている。その点でも満足のいく出来。


ただ映画としては、最後の方の話の流れや描写が少し甘かったのが残念だった。
それにしても、MJに正体を知られてもう隠す必要がなくなったピーターの話をどう続編にしていくんだろう。まあ、ラストのハリーのエピソードから次回作の展開がなんとなくは見えてくるけれど。


そうそう。本編が始まる前の予告でバイオハザードIIの予告を見たんだが、あれはおもしろいね。途中まで何かのCMかと本気で思ってました。