BS世界のドキュメンタリー

BS世界のドキュメンタリーで、今、面白い番組をやっている。
2004年にフランスのテレビ局が制作した、キューバカストロのインタビュー番組だ。カストロが自らの人生を語る6時間以上にも及ぶインタビューの内容を、ほぼ丸ごと流す全5回のシリーズ。話すほうもすごいが、聞く方も相当のエネルギーを要求されそうで、考えただけで疲れる企画だ。(^^;
内容は、ほぼカストロの独演会。彼が一人で語る語る。インタビュアーが質問をする隙がほとんどないくらい。
独裁者とされる人物に対するインタビューがそれでいいのかという見方もあるだろうけれど、彼の語る内容が、キューバ側から見た現代史、及び現代キューバ史を包括する内容になっていることを思うと、下手に話の腰を折って気分を害されるよりは、ここはとりあえず生き証人に気持ちよく全部話してもらうのも一興かなという気がしてくる。テレビ局側もそういう判断だったんだろう。とにかく、非常に貴重なインタビューなんだから。彼の容態がかなり怪しい今となってはなおさら。
それに実際、彼の話はおもしろいのだ。カストロは話すのが上手い。身振り手振りをまじえ情熱的に語るその語り口は、見る人、聞く人を飽きさせない。なるほど、人心を掌握する術とはこういうところにあるのかといたく感心してしまった。彼が一国の首長でも政治家でもなければ、単なる話好きのじいさんだったかもしれない。
だから、独裁者のパーソナリティを形成するものとは何か、そして何が彼を彼の地位に成らしめているのか、ということを考える意味でもとても興味深い番組だと思う。
一昨日の第一回は少年期〜学生時代の失敗した革命まで。昨日は、最初見逃してしまったのだが、ゲバラについて。今日は迫害について等の質問も出るらしいが、彼がどう答えるのか見物だ。