ハゲタカ
すごくおもしろかった! さすがNHK、と言っていいだろう。
まずキャストの豪華さに驚いたね。大森南朋、嶋田久作、中尾彬、柴田恭平、松田龍平、佐戸井けん太、宇崎竜童、小市慢太郎って、一人一人ならあり得ないこともないが、皆揃うとまるで映画かと思うような豪華さ。今後、菅原文太、大杉漣、田中泯、光石研、松重豊らも出るらしい。渋い、渋いよ。どんだけ豪華なんだNHK。
予告で松田龍平がTVドラマに出ることを知って驚いたのだが、彼が実によかった。デビューした頃は、「雰囲気はある」ということで、いくらか下駄を履かせた評価をしてきたし、彼の周囲もそんな風に見てきたのではないかと思うが、実を伴ったいい俳優になってきた感じだ。TVでは「映画マジック」がはがれてしまうのではないかとちょっと心配しつつ見たのだが、場の空気からはずれずに自身の存在感を示していた。
唯一メインロールの女性が栗山千明というのもおもしろい人選。映画メインと思われるこの若い二人はどうやってくどいたんだろう。でもこの人、大人になって結構普通の人になってきちゃったな、とは今回見ての正直な感想。俳優としての今後の成長が楽しみではあるが。
構成と時代設定の巧みさ(だって最後に松田龍平が同じ手段で父親の復習をするんだよね?)、演出の容赦なさにも唸った。特に最後の宇崎竜童のシーンの痛々しさ、残酷さといったらなかった。民放にはこれは無理だろう。
久々の男のドラマという感じ。クライマーズ・ハイもおもしろかったが、これにも期待しているので、くれぐれもなあなあな展開にだけはしないでほしい。
このドラマで"buy out"(最初にでてきた「日本を買い叩け」という台詞のときに言われていた言葉)という熟語を覚えました。
"buy out"
・to pay sb for their share in a business, usually in order to get total control of it for yourself (OALD)
もしくは
"buyout"
・a situation in which a person or group gains control of a company by buying all or most of its shares (OALD)