今敏@トップランナー

概念的な話が多くて、今回は作品を見ていない人にはつまらない回だったんじゃないかと思うが、自分にとってはなかなか興味深い内容だった。
妄想代理人最終回の絵コンテを使ってのプチ・アニメ製作講座もわかりやすくておもしろかったし(1話分であんなに詳細な絵コンテを描くとは!)、どういうものの考え方をしていて、それがどう変化してきたかという話も、聞いてみると、彼の作品のキモがどこからきているのか少しわかったような気がする。
今敏の作品って、描いているものは一見普通なんだけど、実は視点は常識的なところからはズレたところにあって別のところを見ている、そんなイメージ。ずっと表だと思ってたらいつの間にか裏を見せられていた、みたいな。話の筋よりも、演出の細かい部分にそういうセンスが活きていて、それが見ていて気持ちいい(あるいは気持ち悪い)。
あぁ。自分でも何を言いたいのかよくわからない説明だ。
今回、彼の、自分の思っていることをなんとかそのまま言葉にしようと話をしている真摯な姿にとても好感を持った。これを見るとある意味とても常識的な人という感じ(少なくとも芸術系のぶっ飛んだ感じはしない)がするのだけれど、だからこそ自分の感じるところをなるだけ忠実に表現しようとしてああいう作品になるのかもしれないな。