花のいろは 歌舞伎役者・片岡仁左衛門

なんとなくTVをつけたらやっていたので見始めたら、そのまま見入ってしまった。
十五代片岡仁左衛門を本人と周囲の人々を通して捉えたドキュメンタリー。
もともと映画用を意識していたんだろうか、TVでは珍しいフィルム撮り。ナレーションはなく、インタビューと映像とをうまく繋げなから綴っていく。抑えた照明もいいし、カメラワークがいい。撮影する側の視線と撮影される側の息づかいが伝わってくるような、生の手触りのする映像になっていた。
余計な演出がなく、対象をしっかり撮っている。こういうドキュメンタリーは最近なかなかTVでは見られないものになっていると思う。
製作は関西テレビ。ディレクターは迫川緑。こういう関西の歌舞伎を高いクオリティで映像に残そうとするのは、関西のメディアとしての意地かもしれないな。