停電

昨日の夜中、お風呂に入ってる最中にいきなり電気が消えた。
ああそういえば停電になるって電気会社からの通知が茶の間に貼ってあったなあ。あれ今日だったっけ。しかし上がる直前でよかった。温水器の電気も切れちゃってるからお湯がでなくなるもの。なんて考えてる間もずっと真っ暗。
丑三つ時に真っ暗な風呂場に一人というのはすごいシチュエーションだが、案外冷静に考えて行動できるものだね。そのまま手探りで作業を続けて何事もなかったかのように風呂を上がった自分自身にちょっと感心してしまった。さすがに鏡は怖くて覗けなかったが(恐がりなので)、たぶん「入」になっているはずの温水器のスイッチを押して、自分は何て余裕があるんだろうと悦に入ったりして。 
夜中にしばらくの間全く電気がつかない状態にいる、しかも家の中で起きているのは自分一人、というのは初めてのことだったので、新鮮な体験だった。風呂場の外ももちろん真っ暗だし、冷蔵庫の中も真っ暗(中の食品のことがちょっと心配・・・)。でも街灯はついていないのに外の方が薄ぼんやりと明るかった。
廊下の電灯も消えているので、懐中電灯で照らしながら自分の部屋に入るも、中も真っ暗。ビデオもテレビもオーディオもパソコンも電気がつかない。音を立てるものが何もなく、しーんとしている。屋外で、たぶん電気会社の人が作業している音だけがカーンと鳴り響いている。それはすごく奇妙な感じだった。
自分がいかに生活雑音と明かりに囲まれて生きているか、夜中にどれだけ電気の恩恵に浴してきたかを実感した、しばしの静寂の時間だった。たまにはこんな夜もいいかもしれない。
次の朝起きたら、風呂場の電灯がつけっぱなしだったと家族から注意された。(全然冷静じゃないじゃん)